【2019年本屋大賞受賞作品】そして、バトンは渡された・瀬尾まい子【読書感想・書評】

そして、バトンは渡された

こんにちは、ちなみなです。

2019年の本屋大賞を受賞した「そして、バトンは渡された」(瀬尾まい子著)を読んでみました。

著者「瀬尾まい子」さんの紹介

本書の著書、瀬尾まい子さんは、1974年の大阪市生まれ、大谷女子大学文学部国文学科を卒業されました。

卒業後、中学校で教師として勤務する傍らで執筆活動をされており、中学校勤務をもとにしたエッセイも執筆されていました。

2005年、「幸福な食卓」で第26回吉川英治文学新人賞を受賞します。

2011年、退職され、2018年に本作「そして、バトンは渡された」を上梓、2019年に第16回本屋大賞を受賞しました。

僕個人としては、瀬尾さんの作品を読むのは初めてでしたので、少し心配でしたが、すーっと入り込んでいける文章でした。

そして、バトンは渡された あらすじ

この本は3人のお父さん、2人のお母さんと暮らし、4つの苗字を経験してきた「優子」という女子高生が主人公の物語です。

最初の苗字は水戸優子、その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、最後は森宮優子となり、、、

実の母親は幼い頃に交通事故でなくなり、その後父親が再婚する事により、2人目の母親ができました。

ところが父親がブラジルへの転勤となり離婚してしまい、優子は再婚した母親、梨花と暮らす事になります。

梨花は資産家の泉ヶ原と結婚するが、梨花にとっては窮屈さを感じ離婚してしまいます。

その後しばらく泉ヶ原と暮らしていましたが、結局梨花の次の再婚相手の森宮と3人で暮らす事になりますが、ただ結婚後すぐに梨花は蒸発してしまい、森宮と2人で暮らす事になってしまいます。

世の中、離婚とか、再婚、蒸発などと聞くと、そこには「不幸」というキーワードがどうしても出てきてしまったり、また憎しみ、怨みのというものが浮かんできてしまうのですが、この本の中にはそんな内容は一切ありません。

読み終わった後に、ほっこりとした気分にさせてくれる、本当にいい本に出会った、と思わせてくれる一冊です。

本当の家族って? 本当の幸せって?

この本は、優子と3人目の父親である「森宮さん」との生活の話が中心となり、学校生活の中での出来事や、過去の話が織り交ぜられていきます。

優子は、毎日学校から帰ってきて、毎日食卓を森宮さんと共にするのですが、このシーンが本当に好きです。

もちろん食事のシーンなので食べ物の描写もされるのですが、それが本当に美味しそうなんです。

食事の描写もそうですが、ちょっと天然で時々超真面目な事を言う森宮さんと、しっかりものの優子とのかけあいがテンポよく、それもどんどんページが進んでいく要素となっていました。

この物語の主人公はもちろん優子なのですが、それ以上に優子の親たち全員がこの物語の主人公といってもいいんじゃないかと思います。

話を読み進めていけばいくほど、実の両親、梨花、泉ヶ原、これまでに関わった人全てが深い愛情を優子に注いでいた事が分かるし、最後に優子の親となった森宮さんは、優子の親としての立場を全うしようとします。

だからこそ優子はまっすぐで素直で、名前の通りの「優しい子」として成長していったと思います。

僕個人としては最後に優子の父親となった森宮さんが大好きです。

たまにずれた事を言ったりするのですが、不器用ながらも一生懸命優子の父親として生きていこうとします。

本のある箇所で森宮さんがこう言います。(実際は梨花が言った言葉ですが)

「親になるって、未来が二倍以上になる事だよ」
「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくる」

この本で登場する優子の親のうち、最後まで優子の親でありつづけたのはこの森宮さんだけです。

本のラスト近くで、優子がそれまで家族に対し、どのように思っていたのか? そして森宮さんと出会った事によってその考えがどう変わったか?

そしてラストシーンで森宮さんに優子がかけた言葉。

本当に感動的でした。

読み終わると心があったまる物語、今お子様がいらっしゃる方はもちろん、森宮さんと同じようなまだ結婚されていない30代の方にぜひ読んでもらいたい本です。

まとめ

2019年に第16回本屋大賞を受賞した「そして、バトンは渡された」を紹介してきました。

僕個人としては、ノミネートされた他の作品を推していて、正直、この作品が大賞に選ばれた時はとても驚きました。

その時は簡単なあらすじだけを読み、読むところまではいかなかったのですが、実際に読んでみて、大賞に選ばれた事も納得できました。

なぜ大賞に選ばれたのか、そしてこの本のタイトル「そして、バトンは渡された」の意味は?

ぜひ皆さんも読んでみて確かめてみてほしいと思います。